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みなさん、こんにちはVisutorです。今日はハリウッド映画業界の話題、ストライキの続きを話して行こうと思います。前回のブログで「63年ぶりのハリウッド業界危機、CGアーティストたちの大規模レイオフの実情、今後の展望はどうか?」をお届けしました。

ストライキの原因などは過去ブログを是非ご覧下さい。脚本家ストライキが終焉し、残すところは俳優ストライキのみとなりましたが、映画業界にとってコロナ禍よりもダメージが大きいと言われるこのストライキ騒動ですが、今日は脚本家ストライキの終了と俳優ストライキ、そして今後の行方についてレポートして行きたいと思います。

脚本家ストライキの終了

5月2日から続いていたハリウッドの脚本家ストライキは148日に及ぶ期間を経て先月2023年9月27日に終了した。結果として脚本家組合が求めていたかなりの合意を得た結果となり、主な論点であった賃金の上昇や、二次使用料の引き上げやAIの使用を制限する対策など3年間の合意が含まれる事になりました。

カリフォルニア州のギャヴィン・ニューサム知事は、「カリフォルニアのエンターテインメント産業は、世界的な脚本家がいなければ現在のようにはなっていなかった」また「双方が協力し、関係者すべての利益となる合意に達したことに感謝している。カリフォルニア経済の主要部分を再び機能させられる」と述べました。結果的に脚本家組合は兼ねてからの要望の多くを達成した事になりますが、実際業界が受けた打撃は計り知れない物となりました。

パラマウントピクチャーズ前でのストライキの様子

俳優ストライキの現状と業界の影響

業界の打撃レベルはここ数十年で影響的にはハリウッドでは最長の物となっており、未だに映画やテレビの撮影のかなりがストップしており、カリフォルニア州の経済だけでも数1000億の被害が出ている。ケータリング業者、衣装業者、大工、カメラマンなど、多くの関連業者も打撃を受けています。

映像業界は劇場公開から配信型のビジネスに代わり収益の在り方も変わってきている、脚本家だけでは無く業界の作り方自体が変わってきているが、それでも巨大なコンテンツや配信力を持つDisneyですら、将来の原動力としてDisney+とHuluを構築しようとしているが、大きく赤字に至っており、なかなか簡単な状況では無い。

脚本家ストライキの終了の結果により同時進行であった俳優組合とのストライキの終了も近いと言う声も聞こえているが、未だに状況か変わらず交渉が続いている状況となっています。16万人越えの会員がいる映画俳優組合ーアメリカ・テレビ・ラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)が次の目標となっていますが、AIの規制や賃上げの要求なども交渉はまだ難航しており2023年10月15日の現状でも突破口はまだ見えてない状況で、近々終わる予想はあるのですが、実際はまだまだ不透明な状況です。

カリフォルニア州だけでも数1000億の損害、世界規模では合計でどれくらいになるのだろうか。

ハリウッドはいつ仕事に戻るのでしょうか?

脚本家に関しては、ストライキが終了したので少しづつ仕事に復帰は出来るような模様ですが、俳優ストライキが落ち着いていない状態で、以前より各テレビ会社は人気の台本付き番組をなくしたり、各ネットワーク各社は秋のテレビ番組を再放送したり、スポーツ、台本なしの番組で代わりの放送をしました。

ポストプロダクションやVFX/CG業界に関しては、脚本ストライキにより進んでいなかった撮影済みのプロジェクトのスタートの可能性は上げられます。実際少しづつですが募集を見かけているような印象ではありますが、どこもショートコントラクト(短期契約)が多く、まだ実際には混乱が収束していない状況です。

仕事の再開はまだまだ不透明な部分があり、結局のところまだ俳優ストライキが行われているために、全体的にすぐに仕事自体は開催されずに、時間がかかる事が予想されます。ワーナーブラザーズなどはSF大作「Dune2」を含む主要映画の大きな公開延期を明らかにしていますし、他にも「デッドプール3」や「グラディエーター2」などが含まれているので、映画会社側はかなりの調整を覚悟している模様です。

仮に俳優ストライキが終わったと言えども、何もかもがすぐにスタートする訳では無く、仕事が全て戻るためには調整なども含めて時間がかかるので、実際の稼働はもう少しだけ先になると思います。業界的にここ数十年で最大の打撃であるため、多くの人が失業の状態となっているので、1日でも早い収束を願っております。

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それでは、また次回!!